でーじ近いその3

山口が鷺の舞なら沖縄は胡蝶の舞だ!

山口県民のみなさまこんにちは。沖縄でDEEokinawa(でぃーおきなわ)というWebサイトでライターをしております、桃原(とうばる)と申します。
山口県には神事で鷺を模して踊る「鷺の舞」があるらしいですね。

ここ沖縄にも胡蝶の舞という踊りがあるのです。
鷺と蝶。鷺の舞は見たことはありませんが、同じ生き物の舞なので近いのではないでしょうか。
本日は「鷺の舞」と「胡蝶の舞」がどれぐらい近いのか、胡蝶の舞を受け継ぐ南城市知念の知名青年会のみなさんに映像を見ていただき、判断いただきました。

山口の鷺の舞

山口県のみなさんは十分ご存知かと思いますが、まずは鷺の舞を紹介しておきましょう。
鷺の舞は無形民俗文化財に指定されており、その歴史は古く1369年(応安2)に、京文化に造詣が深かった大内弘世氏が京都から八坂神社を勧請した際に伝承されたもので、600年以上続く伝統奉納神事です。鷺の舞が見られるのは、毎年7月20日~27日の山口祇園祭の初日。神社の社頭および神幸の途中やお旅所で行われます。
一般に鷺舞といえば島根県津和野町を指すことが多いですが、津和野の鷺舞は山口祇園会を経て伝習されています。

約2分ほどの踊りで、お囃子役が3人、赤い髪の赤熊髭が2人、鼓を打つかんこが2人、そして鷺が雌雄で2人の合計9人で演じられます。
笛と太鼓のゆったりした音色、要所要所にかんこ役のこどもがジャンプしながらトントンと打つ鼓の音が響く中、鷺はかんこのまわりを回りながら、優雅に羽を広げ羽ばたきます。赤熊髭は鷺を追うようにゆったりと歩を進めます。

静かで優雅な鷺の舞。
観客も息をひそめ、じっくりとその美しい舞を見つめます。

沖縄の胡蝶の舞

沖縄の胡蝶の舞は、3日間の旧盆が終わった翌日におこなわれる「ヌーバレー」で演じられます。ヌーバレーは沖縄本島南部でおこなわれる行事で、ヌーバレーがない地域も多いです。五穀豊穣を祈るほか、旧盆で先祖とともに迷い込んだ悪霊を払うのが目的。
そしてヌーバレーで胡蝶の舞が行われるのは南城市知念の知名地区のみ。夕方から先祖を供養するため旧盆に集落の通りを練り歩く行事道ジュネーがあり、その後、地域住民によって様々な舞台芸能が夜まで演じられます。

胡蝶の舞は約30ある舞台演目の中でも一番と言っていいほど会場全体が盛り上がる演目です。

三線の音色に合わせて、蝶に扮した青年4人が、花に扮した青年4人に戯れるように舞うのが特徴。最初はゆったりした動きではじまりますが、だんだんと動きは激しくなり、最後にはコサックダンスのように花と蝶が舞台を飛び跳ねます。

実際に胡蝶の舞を踊っている方にインタビューしてみた

ということで胡蝶の舞が披露される南城市知念の知名にやってきました。

さっそく青年会の方に話を聞いてみたいと思います。

- 胡蝶の舞はどのような由来があるのでしょうか?

言い伝えによると知名ヌーバレーは約200年以上の歴史がありますが、胡蝶の舞は80から90年前に同じ同じ知念の吉富地区の人によって伝えられたそうです。
花に蝶が群がるようすを再現しているんですが、男女の関係も表していると聞いたことがあります。
現在なぜ知名地区だけ残っているかまではわかりません。

- かなり激しい動きですが、演じる人の年齢は?

以前は10代後半のメンバーでしたが、今では20代のメンバーが中心に演じています。
僕たちは今年27歳になります。
高校生のときから演じてきました。地区の人口が少なくなってきているので、引き継げる後輩が少なくなっているのが現状です。

- 練習はいつぐらいからするのでしょうか?

ヌーバレーは旧盆のウークイ(送る日)の次の日に行われるので、毎年その2ヶ月前ぐらい前から練習が始まります。
練習には地区の先輩たちが来てくれて、指導を受けます。
言われるのは「もっとちゃんと羽を広げて」「生き生きと見せるように」ということですね。
疲れてくると腕が下がってくるので、姿勢を維持しなさいと注意を受けます。
蝶役が4人、花役が4人の合計8人で踊るので、動作が揃うようにも気をつけています。
普段使わない筋肉なので最初は本当にキツイですよ。

- 見所をおしえてください

やはり飛び跳ねて追いかけているところですね。
やっている側はキツイので、それをどれだけキツイのを見せずにできるかということでしょうか。
見ている人たちから声援が飛んできますよ。練習と本番はやはり違って、いつも以上に頑張れます。
踊り終わると、いつも拍手と指笛の嵐です。

- 山口に鷺の舞という踊りがあるのをご存知ですか?

えっと、知りません。

- 胡蝶の舞に近いか見てもらってもよいでしょうか?

はい!

(…無言が続く)

- ズバリ、近い点は?

(…無言が続く)

……生き物を表現しているところが近いですね。
…あとは…パタパタと羽ばたくところが似ている、かな。

同じ姿勢を維持するのも大変そうですね。

えっと、自分たちは伝統文化ということではあるんですが、どちらかいうと喜んでもらう、みんなを笑顔に、というところもあります。
鷺の舞は神聖な儀式に見えます。
そういう意味では、近くはない…すみません。

- 山口県の方にメッセージがあればお願いします。

沖縄はエイサーが有名ですが、地域にはこういった伝統芸能を知れば、さらに違った沖縄を楽しめると思います。
ぜひ胡蝶の舞を見にきてください。交流しましょう!

沖縄と山口の「近さ」は証明できたのか

今回、生き物の舞という類似点だけで記事を進めてきたのですが、知名青年会の方の苦しい回答からもわかるように、正直踊り自体は近くありませんでした。
しかし!地域文化を守る、引き継ぐという姿勢は、きっと鷺の舞の方と胡蝶の舞は「近い」はずだと思います。

近くても遠くても良いじゃない。素晴らしい文化を見にきてください!私も鷺の舞を見に行きます!

2016年のヌーバレー日程

2016年のヌーバレーは、8月18日(木)です。
※旧盆は8月15日(月)~8月17日(水)。

胡蝶の舞を実際にご覧になりたい方はぜひ、南城市知念の知名地区まで足を伸ばして下さいませ。

どうですか?山口と沖縄は近くなりましたか?